庄内能楽館では、宝生流能楽師の先生方の多大なるお力をお借りし、昨年の庄内能楽館40周年記念公演を始めとする大小様々な試みを行って参りました。
新型コロナウィルスの感染拡大を受け、当館でも、受講生の方々が増えてきた矢先ではありますが、教室の中止を余儀なくされております。
災禍は必ずや過ぎ、振り返る時がやってくるでしょう。
その時を待ち望み、どうぞ皆さまお健やかに過ごされますように。
ここに、宝生流第二十代宗家 宝生和英様のメッセージを、皆様にお届けいたします。
能楽を愛する皆さまへ
この度の未曾有の疫病禍により、多くの公演が延期・中止を余儀なくされ、ご心配をおかけいたしましたこと、誠に申し訳ございません。本来であれば有事にこそ「心落ち着く時間」をお届けしたいのですが、皆様の健康を守るため、我々能楽師にとって苦渋の決断でした。
思えば、日本はこれまでも多くの危機を乗り越えて参りました。明治の三名人16代宝生流宗家知栄は、有事により一時、能楽師としてのキャリアを終える際まで追い詰められながら、不屈の闘志で舞台に立ち、明治の世を照らしました。
我々は彼らの思いを受け、今の世の舞台に立っております。
現在、能楽界の様々な所で、映像配信を活用した試みを始めております。
これらのアクションをこの大災害後の準備と捉えまして、収束後にはよりパワーアップした能楽を皆様にお届けしたいと思います。
皆様におかれましてはもう暫しご辛抱の程よろしくお願いよろしくお願い申し上げます。
宝生和英